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東京慈恵医科大学同窓会

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2017年06月25日 大学講座シリーズ? 「内科学講座 神経内科」
講座担当教授 井口 保之


 内科学講座 神経内科は、旧第1、第2、第3内科の神経内科グループを統括する形で平成8年創設され、井上聖啓元教授が初代教授として就任、平成20年から持尾聰一郎前教授指導のもと一層の発展を遂げました。平成24年から井口保之教授が講座担当教授に着任し、「主訴から患者を開放する」ことをスローガンに、臨床、教育、研究に邁進しております。当講座は、本年、診療科開設21年、講座開設5年を迎えました。現教室員数は358名、OB・OGは30名で、研究、教育に励み、神経内科の臨床、研究領域で活躍しております。
診療   
 神経疾患は、診療圏における疾患特異性が高いことが特徴です。本院では、主に神経救急疾患、診断に難渋する神経変性疾患、神経免疫疾患、神経感染症を中心に診療をおこなっています。平成27年より運用を開始した「附属病院脳卒中センター」は、神経内科、脳神経外科、救急部、放射線科、リハビリテーション科、麻酔科、看護部など関連する部署が連携し有機的なチーム医療を展開しております。急性期脳卒中疑い例に対し同窓からの紹介を円滑に受け入れるためにホットラインを導入、さらに急性期脳卒中診療支援に特化したストロークコーディネートナースの介入により、来院から治療開始までの時間は劇的に短縮しました。脳主幹動脈閉塞例に対する再潅流療法の治療成績は高く、stroke care unitの効率的な運用に努めております。また、当講座の得意分野である脳神経超音波検査を、脳卒中、運動ニュウロン疾患、末梢神経障害等の診療へ積極的に取り入れております。葛飾医療センター、第3病院では、パーキンソン病、認知症など神経変性疾患への対応に、それぞれの施設の特色を活かしております。柏病院は三次救命救急センターを有することから、より重症な神経疾患を中心に診療し、リハビリテーション科、耳鼻咽喉科と連携しながら嚥下障害に対しても横断的に診療する体制を整えております。本院をはじめとして各附属病院神経内科では、同窓諸兄からの紹介患者を引き続き積極的に診療いたします。紹介状差し出し名の横に「@@卒」と添え書きいただければ幸いです。
研究   
 研究領域は、脳血管障害、パーキンソン病・アルツハイマー型認知症を含む神経変性疾患に関する臨床研究を推進しております。若年性脳梗塞の多施設前向き登録研究は、全国28施設の取りまとめ研究責任施設として登録調査を進めています。さらに胸部大動脈解離に合併する超急性期脳梗塞の実態調査、抗凝固療法に関連する脳卒中登録研究、原因不明脳梗塞に対する埋込み型デバイス登録研究、発症時間不明の超急性期脳梗塞に対する線溶療法など先進医療分野に参画しております。附属病院間ではパーキンソン関連疾患に関するレジストリを整備しており、パーキンソン病に対する磁気刺激療法、半定量的嗅覚計測装置の臨床応用、脳機能画像解析、非運動症状に対するアンケート調査など革新的な研究を関連他科と協力して実施しております。
教育 
 卒前教育では、「慈恵医大卒業生は、どの施設に着任してもできるレジデント(できレジ)」と呼ばれることを目標としています。4年生の見学型実習は攻めのポリクリ、5年生のクリニカル・クラークシップにおいては研修医1年目医師と同じ役割を与え、医師としての自覚と責任感を育むように試みています。卒後教育では、毎週の総回診に向け病棟医が綿密な下準備を行い、教授以下指導医は各医師のプレゼンテーションおよび診療能力を磨き上げるように鍛えていきます。「難解な神経内科」を「解る神経内科」へ、を合言葉に研修医・レジデント向けのレクチャーを定期的に開催しております。また外来では、経験年数の浅い若手外来医に対し経験豊富な神経内科専門医がコンサルト・バックアップ体制を敷き、外来教育の充実を図っております。
 内科学講座神経内科は、引き続き「神経内科」を軸とした社会貢献をすすめます。本学のプレゼンスを高めるために、講座所属医員、同門は全力で邁進いたしますので、同窓諸先生方からのご指導を宜しくお願い申し上げます。

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