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東京慈恵医科大学同窓会

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2017年07月25日 夏季セミナー3 めまいをきたす代表的な内耳疾患
耳鼻咽喉科 近澤 仁志


 めまいをきたす内耳疾患の中で、日常の臨床で遭遇する頻度の高い疾患として良性発作性頭位めまい症(BPPV)やメニエール病などが挙げられる。そして近年の高齢化社会において、これらの疾患は増加傾向である。BPPVの病態は耳石器障害であり、剥離した耳石の半規管内への迷入により発症する。特定の頭位により誘発される数秒から数十秒程度の回転性めまい発作のみが出現するのが特徴である。
 三半規管の中で主に後半規管への耳石の迷入症例が多いが、外側半規管に迷入している症例も少なくない。BPPVには主な3タイプの病態が存在し、眼振検査での特異的な眼振所見を確認することでその診断がなされる。
 一方、メニエール病の病態は内耳の内リンパ水腫であり、発症の原因として精神的・肉体的ストレスや環境要因などが関与する。難聴、耳鳴、耳閉感などの聴覚症状を伴う回転性めまい発作を反復するのが特徴である。これら各疾患の診断から治療について、実際の眼振所見の動画も供覧し、解説したい。

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