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東京慈恵医科大学同窓会

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2018年10月25日 慈恵医大女性医師キャリア支援室活動報告(その10)
「女性医師キャリア支援室の今後のミッションを考える」
附属病院副院長・小児科学講座担当教授 井田 博幸


 女性医師キャリア支援室は当初、慈恵医大に病児保育制度と短時間勤務制度(時短)を設立するため創設された。現在、この二つの制度は実際に運用されており、女性医師支援に役立っている。したがって、今、女性医師キャリア支援室の今後のミッションを再考する必要性が生じている。平成28年度の厚労省の調査では全国の女性医師数は約6万7,500人で医師全体の25%を占めている。女性医師の力がなければ日本の医療現場は維持できない状態まで来ていると考える病院管理者は多い。外国の学会においては多くの女性医師・研究者の活躍に遭遇する。
 慈恵医大においても附属4病院の常勤医師1,289名中、309名(24%)が女性医師である(時短を含む)。私はこの数字を見た時に女性医師の活用は慈恵医大を活性化するための一つの鍵になると考えた。どのような支援が求められているか、何が問題で女性医師が仕事を継続できないかを明らかにする必要があろう。ただし、この女性医師の活用が男性医師や独身女性医師における不公平感をもたらすことは避けなければならない。大学と女性医師キャリア支援室が一体感をもって女性医師キャリア支援室の今後のミッションを考える事が重要と思う。その結果、働き続ける女性医師が増加し、その人たちを慈恵医大の「人財」として残すことが私に与えられたミッションと考えている。

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