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東京慈恵医科大学同窓会

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2019年02月25日 定年退任にあたって
高次元医用画像工学研究所
鈴木直樹教授


 昭和56年に早稲田大学理工学研究科博士課程修了と同時に本学に助手として赴任し、医用工学を専門として研究を開始して、あっという間に40年が過ぎました。そしてこの40年の中で本学より人生におけるビッグチャンスをいくつもいただきました。
 平成元年、当時学長、理事長であられた岡村哲夫先生に、これまでの研究を強化するために、新たに「高次元医用画像工学研究所」を創設していただきました。当時まだ世界的にもこの分野に特化した研究機関は少なく、岡村先生の思惑通りここでの研究活動は政府にも響き、度重なる大型の競争的資金を本学にもたらすことができました。
 また平成18年には当時第三病院院長であられた梅澤祐二先生に「ハイテクナビゲーション手術室」を設計、建設する機会をいただきました。ここで臨床各科の先生方と様々な先進的臨床研究を重ね、新しい治療法を築くだけでなく多くの博士号を輩出することができました。
 そしてさらに本学からもうひとつ大きなチャンスをいただきました。教員として医学研究をする傍ら、東京大学理学部で魚類からヒトまで続く脊椎動物の機能的進化の研究をすることを許されたのです。この研究では生きている化石や軟組織の残った古代獣の冷凍遺骸を求めて東アフリカ、南米、サハラ砂漠、北極シベリアと地球上の辺境を総ざらいするような探検行が何年も続きました。果ては人類初の南極到達者アムンゼンや月面に立ったアポロ宇宙飛行士など世界中の探検家の集まるエクスプローラーズクラブの正会員となる栄誉までいただくこととなりました。
 進化研究を機に幾度となく天皇陛下へご進講申し上げる機会を賜り、一度は陛下とのお話が長くなりすぎ、迷いながら真っ暗な皇居の森を抜けて街の光に戻ったことも懐かしい思い出の一つです。
 私は退任後早稲田大学に転進しますが、今後も本学臨床各科の先生方との共同研究も鋭意継続し、まだまだ本学への貢献に励む所存です。
 どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

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