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東京慈恵医科大学同窓会

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2024年01月25日 新年のごあいさつ
東京慈恵会医科大学 学長 松藤 千弥


 2024年はまことに衝撃的な形で始まりました。未だ、本学教職員、学生、同窓すべての安否確認ができたわけではありませんが、大学として新たな年のスタートを切れたことを喜びたいと思います。しかし、それが当然のことではないと、改めて思い知らされた新年でした。自然災害と関連する人災、2つの惨事で命あるいは日常を奪われた方々にお見舞い申し上げます。
 私たちは今回の事態から、自分たちを守るための教訓を学ばなければならないのはもちろん、非常時にも自分たちのスクールミッションに沿った社会貢献ができるように備えなければなりません。学ぶべきことは多いと感じます。令和6年能登半島地震では、津波の人的被害が比較的少なく抑えられたこと、羽田空港の航空機事故では、旅客機の乗客乗員に死者がいなかったことなど、過去の経験に学び、対策を練り、いざというときに実行できるように訓練することの大切さを実感します。附属病院の医療安全とも大きく通ずるところがあります。
 必ず起こるといわれている東京、関東を襲う大地震、またそれ以外にも想定される災害や非常事態に対する備え、教育、そして研究は、ポストコロナの本学の方向性として重要になっているといえます。本学では災害に関する教育・研究が系統的に行われているとは言えない状況にあります。災害医療の教育・研究を通じて、医学生、看護学生や若い医療者の関心が総合診療や地域医療にもっと向けられたらよいとも思います。また、リスクコミュニケーション、クライシスコミュニケーション、メールやSNSで情報を適切に扱うためのスキルの教育、研究もとても大切です。
 大学として、財務、医療、教育、研究面で難しい課題をいくつも抱えている私たちですが、未来に向けてより強い組織になるために、皆さまの団結とご協力をお願いして、私のごあいさつといたします。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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