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東京慈恵医科大学同窓会

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2024年02月25日 第63回 日本臨床化学会年次学術集会を終えて
集会長 附属柏病院院長 吉田博


 令和5年10月27日から29日、第63回日本臨床化学会年次学術集会が吉田博附属柏病院長(臨床検査医学講座教授・特昭62)を集会長として東京・御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで現地開催された。新型コロナウイルス感染症(COVID―19)第9波の影響が少し残るなか、インフルエンザの流行とも重なったが、良い天候に恵まれたこともあって有料参加者は約800名に上った。
 今回の学術集会のテーマは「持続可能な医療の質を支える臨床化学の発展」であった。発見・発明そして社会実装へ向けた不断の努力が臨床化学および関連する周辺分野において確実に成果として現れていることを本学術集会を通して実感することができ、大変有意義であった。特別講演として矢冨裕国際医療福祉大学大学院長(東京大学名誉教授)から「医療の質を支える臨床化学の発展と社会実装」を、柳沢正史国際統合睡眠医科学研究機構長(筑波大学教授)から「睡眠の謎に挑む『眠気』の実体を求めて」をご講演いただいたが、まさしく今回のテーマを代表するご講演であり、参加者には大切なメッセージが伝わったことと思う。集会長講演の他、エキスパートの先生方による教育講演3題、シンポジウム11個、共催セミナー11個、一般演題・学生演題106題の発表があり、活発な質疑応答が行われた。また、国際企画セミナーとして「The Use of the Adaptive Learn-ing Concept in Laboratory Medi-cine」がHarvard Medical SchoolのNader Rifai教授によってご講演され、これからの臨床検査・臨床化学の教育について多くの学びがあった。2日目の夜には参加者懇親会を開催し、その第一部では公益財団法人静岡県舞台芸術センターの宮城嶋遥加様による朗読劇が行われた。日本の文化に心打たれる時間を共有しながら、参加者の皆様が互いに交流を深めていただける素晴らしい機会となった。
 最後に、COVID―19第9波とインフルエンザの流行が重なるなか、学会会場にお越しくださった参加者の皆様、ご協賛いただいた企業の皆様、日本臨床化学会事務局の皆様、東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座および附属4病院中央検査部の皆様に心より感謝申し上げる。
(臨床検査医学講座教授 特平7・政木隆博記)

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