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東京慈恵医科大学同窓会

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2016年11月25日 パネルディスカッション1
専門医制度の歴史と現状
小児科学講座 井田 博幸


 日本における専門医制度は1962年に麻酔科学会が指導医・専門医制度を立ち上げたのが始まりである。これ以降、多くの学会が認定制度を立ち上げた結果、統一性のない多様な制度が乱立した。これに対応するため第三者的スタンスの評価機関の必要性が生じ、2014年に日本専門医機構(以下、機構)が設立され現在に至っている。機構の整備指針に基づき19の基本領域専門医においては2017年4月から新専門医制度が開始される予定になっていた。
 ところが2016年4月の第44回社会保障審議会医療部会において病院間偏在・地域間偏在・診療科間偏在などの問題が指摘され、六月には機構の理事長・理事が改選された。7月になり機構の新理事会は2017年4月からの新専門医制度は一年延期すると発表した。そして、新理事会は“学会は学術的な内容について責任をもってプログラムを作成する”“機構は専門医制度を学術的な観点から標準化を図るとともにチェック機能・調整機能を有する”などの基本方針を発表した。最終的に2017年4月からの専門医制度は各学会に委ねられることになった。その結果、機構の分類によれば旧プログラムを採用するのが12学会、新旧プログラムを併用するのが三学会、新プログラムを採用するのが三学会となった。
 以上、述べたように専門医制度は依然として混沌としており、最新の情報を入手しながら今後の対応を考慮していく必要がある。

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