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東京慈恵医科大学同窓会

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2016年11月25日 パネルディスカッション5
サブスペシャリティー専門医の概要
心臓外科学講座
橋本 和弘


 サブスペシャリティー領域における専門医制度設計は基盤領域となる外科専門医制度、内科専門医制度の2階部分となる専門医制度という位置づけにある。この6年間心臓血管外科専門医認定機構の代表幹事を務めて、新専門医制度への移行に携わってきたこともあり、外科系のサブスペシャリティー領域の制度について特に言及する。
 日本専門医機構は当初2017年に基盤領域の外科専門医制度を開始し、3年後の2020年にサブスペシャリティー領域(心臓血管外科等)を開始するとしていた。つまり、外科専門医を取得後に初めて心臓血管外科専門医の修練を開始するというものであった。現行制度では心臓血管外科医は外科専門医も取得する仕組みにはなっているが、取得時期は定められておらず(ただし、心臓血管外科専門医試験申請前)、修練は外科一般と心臓血管外科を連動し、心臓血管外科領域を中心に行われている。
 新制度の仕組みでは心臓血管外科専門医取得までの修練期間が更に伸びる可能性が高く、反対を表明してきた。このことは内科系のサブスペシャリティー領域においても同様の問題であり、再三にわたり、日本専門医機構に修正を求めてきた。現時点では基本領域の3年目にはサブ領域の修練を開始してもよいというところまでは譲歩を得ている。
 しかし、新専門医制度の開始の延期が決まった現在、日本外科学会、関連外科系学会はサブ領域までの修練過程が見通せる基本領域とサブ領域の連動型プログラムを認めていただいた上で、新専門医制度を開始するという方針にある。

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