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東京慈恵医科大学同窓会

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2016年12月25日 第1回 慈恵−Mayo Clinic
ジョイント・シンポジウム開催される


 学祖高木兼寛先生の全米屈指の病院であるMayo Clinic訪問110年目を記念し、平成28年9月30日(金)、国際交流センター主催により第1回 慈恵 ― Mayoジョイント・シンポジウムが開催された。はじめに、本学を代表し、松藤千弥学長から開会の挨拶があり、Mayo Clinicと本学には、患者第一という共通の理念があり、このたび110年前から続く友好関係が再認識され、本シンポジウムが開催されることになった喜びと、招聘講演者に対する感謝の気持ちが述べられた。次いで、炭山よりMayo Clinicの概要およびMayo家、高木家の2代にわたる友好関係について概説した。
 Mayo Clinicの3名による招聘講演の内容は、地域中核病院において病院内総合診療を担うHospital Medicineと医療連携についてであった。まず、David Rosenman先生から、本邦では専門分野として認識すらされていないHospital Medici-
neという領域が、米国で確立された経緯や入院患者のケアを包括的、横断的に行うことの臨床・効率面での重要性について講演があった。次に、James Newman先生より、救急症例を含む入退院時の患者の受け渡しや、ベッドコントロール等を、円滑に行うための医療連携の在り方について、全米に広がるMayo Clinicのネットワークの実例を交えながら解説があった。日米両国での臨床経験を持ち、現在は民間シンクタンクで医療行政の改善に携わっているAtsushi Sorita先生からは、国際的・俯瞰的観点から今後の総合診療や医療連携の展望について考察があった。最後に、丸毛啓史附属病院長から、安全かつ効率的なヘルスケアを実現し、附属病院における診療体制の拡充を図るため、大変有益なシンポジウムであったと閉会の辞をいただいた。
 Mayo Clinicからは講演者3名のほか、2名の来賓(Christopher Gostout教授およびKristin Vickers Douglas先生)があり、シンポジウムの最後に、5名の来賓者が登壇し、栗原敏理事長、松藤学長と記念品の交換が行われた(写真)。日米両国の保険制度や病院診療の環境は大きく異なるが、患者第一という理念に基づいた熱心な質疑応答が、時間の許す限り続いた。学祖が切り開き、その後戦争をはさみ80年以上途絶えたMayo Clinicとの交流が、更に深化することを参加者一同、願いつつ盛会裏にシンポジウムは終了した。
(炭山和毅記)

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