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東京慈恵医科大学同窓会

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2017年01月25日 「慈恵人らしい医師」の伝統をふり返る
東京慈恵会医科大学同窓会 会長 高橋 紀久雄


 慈恵医大同窓会会員の皆様、明けましておめでとうございます。
 昨年も熊本地震をはじめとする災害支援その他の同窓会活動を滞りなく行うことが出来ました。会員の皆様のご協力の賜と心から御礼申し上げます。
 本年はいよいよ新大学2号館(仮称)が完成し、夏頃には大学本部、各臨床医学講座、研究施設などが移転致します。これも全国の会員の皆様、慈恵大学に関わっている教職員の皆様の心温まるご支援と、慈恵大学に対する想いの結果によるものと感謝しております。
 平成24年に葛飾医療センターが完成した折にも述べましたが、立派な箱が出来たからには、それに相応しい「慈恵人らしい医師」を育てて貰いたいと願うのは私だけでは無いと思います。慈恵人とはどんな医師でしょうか。本学建学の精神「病気を診ずして病人を診よ」を遵守することは当たり前のことですが、「高木兼寛の医学」を読み直してみると、建学時代には品性試験が行われ、高木先生が「慈恵は英国流の医学であるから、英国紳士の様な品格、立ち振る舞いをもった医師で有るべき」と医師の資質に目を向けました。後に本学中興の祖と言われる第六代樋口一成学長は在職中の語録の中で「医師たる者は礼節を重んじる事、服装・挨拶はきちんとする事、医学を目指す者はその時代の社会情勢を考え、視野を広く、趣味を豊に、幅の広い人間になって患者さんに接する事」と述べられています。このことは昨年亡くなられた第八代阿部正和学長が「慈恵の医者は紳士たれ」と言われたことに引き継がれています。慈恵大学で学んだ医師は本学の伝統を重んじ、英国紳士に倣う「慈恵人らしい良き臨床医」に育つことを期待します。
 最後になりますが、本年も会員の皆様の御健勝を祈念し、引き続き同窓会活動にご理解とご協力をお願い致します。

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